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私の名前は、安藤翔子。
多分さっき交通事故に巻き込まれてあの世の一歩手前くらいにいる。
なんでそんなこと断言できるかって、ねえ?
私は自覚できるほどに目をキラキラさせながら、目の前の小綺麗な白髪白髭白装束の後光を放つ老人を見ているから。
「おかしいのぅ……。儂は転生者を連れてくるようにミカエルへ頼んだはずじゃが……?」
神様と思われる老人は、私に戸惑いを隠せない様子でそうつぶやいた。
ん?おかしい?
「おかしいって、私は転生者じゃないんですか?」
「いやのぅ。確かに資質はあるようじゃが、転生者には争いごとの終結をこちら頼む以上、男の子(おのこ)を呼ぶことが多いんじゃ」
「そうなんですか、いやでも憧れや想像力は男子にも負けない自信がありますよ!」
就職の面接のように熱く食い下がる私、だって転生でしょ?!
「そうか……。ん?そういえばお主、転生の説明をもう受けたのか?ずいぶん乗り気じゃのう」
「いえ、まだですけど」
だっていきなり来たのがここだもん。
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