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「こうも話が上手くいくのは怖いものじゃが、手間がかからんのはいい事じゃろう。
お主、名前はなんといったかの?」
「え、神様ってそういうの聞かなくても知ってるものなんじゃないですか?」
「もちろん知ろうとすればそれは簡単じゃ。
じゃがそれは不躾に感じるからのう、なるべく知ろうとせずに理解しようとしておるのじゃ」
「なるほど、素敵ですね。
私は安藤翔子、17歳の高校2年生で、彼氏はいませんが募集もしてません」
「なんじゃ?儂は今フられたのか?」
「いや、そんなことは。
ところで神様はなんというお名前ですか?」
「儂は神じゃが……、名前は特にないのう。
人によっては色々なように呼んでおるが、概念としては名前がない。
好きなように呼べば良い」
「じゃあじーちゃんで」
「よ、よかろう、敬語も無理に使わんでもよい」
やったー。
「ところで翔子、お主にこれから新たな世界へ向かうために力を与えようと思うのじゃが、特別希望することはあるかの?」
「特別?そうだなぁ……」
「魔法が使えるとしたら」みたいな空想的な話ではなく、これからの現実のことだからちゃんと考えないと。
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