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やっと分かった…。
大河はもう何度か
父に会いに来ていて…
ずっと父を説得して
くれていたんだ…。
大河の思いに気付いて
瞳を揺らしていた私に
父はゆっくりと話し続ける。
「俺はもうじき人生の幕を
閉じる事になる。
けれど俺がいなくなっても
母さんは一人で生きて
行かなければならない。
だからこれからは葵が母さんを
支えて行ってあげて欲しい。
今まで突き放して来たくせに
都合のいい事を言ってるって
自分でも良く分かっている。
けれど…
母さんは葵以上に
弱くて脆い人だから…」
弱々しく笑った父の願いを
断る理由なんてひとつもない。
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