誓い

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もう抗癌剤治療を 辞めたと言った父は 終始穏やかな表情で 桐生の生い立ちや 私との出会い… 空白だった期間の事、 ひとつひとつを私と 桐生に聞いた。 そして父の着替えを持って やって来た母とも再会出来て 無口な母はただ黙って笑みを見せ 桐生と挨拶を交わす。 それでもたった一言、 「葵、良かったね」 そう言って笑ってくれた母を 父は目を細めて見つめていて。
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