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ふむ、まぁ見慣れた反応だな。
驚くのも無理はない。なんせ私は剣だからな。
剣が喋るはずがないだって?
だが君もここにこうやって訪れたんだ。
君も、常識では考えられないような事を求めてきたのだろう?
私もそう。
だが私は剣だからな。
君のように自由に世界を飛び回れはしないのさ。
さて、ようやく私を見つけてくれたのだ。
君は私にどんな世界を見せてくれるのかな?
…おや?
君がいる世界は剣を必要としていないのか。
ジュウトウホウ?
なんだそれは。
なんだと…
武器を所持しているだけで罪になる、と。
なんという事だ…
もはや君の世界では私の価値など皆無ではないか…
なに?
私の話を聞きたいとな?
…ほう。それは初めての反応だ。
言葉を操る剣なぞ、そうそう量産されないであろうからな。
珍しいと寄る者は数多くいたが、まさか話だけしろと言われる日が来るとはな。
そうだな。
たまにはこうして休むのもいいのかもしれん。
君と出会い、剣を必要としない世界に来たのもまた縁。
ーーーギィイン
よかろう。
退屈凌ぎにでも私の所に来てくれれば、ゆっくりと私の昔話を聞かせよう。
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