Purple Line 第1話

プロローグ

「…と言う事で、

現状のままでは当社の経営状況は

悪化していくだけで

新たな看板的商品を

生み出さなくては

先がない危機的状況です」

経理部からの報告書を

見つめながら俺は

大きくため息を吐く。

そんな事を言われなくとも

重々承知している事で。

父からCEOを押し付けられて

もうじき2年。

俺だって何も考えて

来なかった訳じゃない。