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「いきなさいっ!」
アリスの号令と共に、鎖が俺に向かってくる。
まるで蛇のような変幻自在の動きを見せる鎖。更に超スピードというおまけ付きだ。
しかし、避けられない速さではない。
鎖をバックステップでかわし、距離をとる。これは意外と楽にかわせ────
「ぶへらっ!?」
突如後頭部にくる衝撃。いつの間にか俺の背後に回っていたアリスに頭を蹴られ、俺は耐えきれず吹っ飛ばされてしまった。
このままいけば、鎖によって縛り上げられてしまう。
「こ.....のっ!!」
吹き飛ばされながらも、無理やり身体を捻り、地面に両手をついて飛び跳ねる。
待機する鎖の真上を飛び越え、捕縛から逃れようとする......だが
「もらいましたっ!」
アリスが人差し指をクイッと上に向ける。すると、それに呼応するかのように鎖が上に伸びてきた。てか、これはまずい。
空中では身動きが取れない。そこにしたから鎖が向かってきてる。あ、これ終わったんじゃね? いや、いけるか?
ほぼ脱出不可能な状況で考えることわずか0.3秒、即座に右手に魔力を集め、そのまま鎖を殴った。
ゴッ、というとても鎖と拳がぶつかったとは思えない鈍い音が響き、光の鎖はバラバラに砕け散った。
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