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「風見、もう時任と付き合うの、止めた方がいいよ。
女ってマジこえーし…。
いつだったかあいつ、外で安部達にスナにされているのを見たぜ…。」
男子生徒は小声でそれを言うと身震いをして、立ち尽くす梨奈を横目に去っていった。
「夕姫…。」
梨奈は青ざめた顔で夕日の教室に立ちすくんで考え込んだ。
「正門から出なかったとしたら、北門…北門ってことは夕姫の家の方向じゃない…。」
梨奈はその考えをめぐらせて何かに気がつくとすぐに走り出して、廊下を全速力で走った。
偶然にもその途中で先生に見つかることはなかったが、梨奈はいけないことをしているようで少し罪悪感を感じた。
しかし、夕姫は何よりも大切な友達だった。
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