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昼休みに入って前の席に座っていた子が片づけをしている最中にペンを落とした。
それを夕姫は拾って彼女に渡した。
「あ……ありがとう。」
彼女の顔は何かに怯えるような目のまま笑顔を浮かべていた。
それを受け取るとすぐにペンを持ったまま弁当を持って友達と走って部屋を出て行こうとした。
しかし、部屋のドアの前のゴミ箱にこっそりそれを捨てるのを夕姫は見てしまった。
「夕姫。大丈夫?」
どうやら弁当を持って近づいてきた梨奈もそれを見ていたようだ。
少し痛そうな顔をした梨奈の顔を見ると夕姫はハッとして笑顔を浮かべた。
「何が?…
今日はどこで食べる?」
「…あ…そうね。
屋上いこうか?」
二人はお互いに微笑みを交わすとすぐに歩き出した。
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