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梨奈は中央の列の後ろから2番目で夕姫は窓際の3列目だった。
梨奈はチラチラと夕姫を見て考えごとをしていた。
夕姫の方は授業など上の空で外を呆然と眺めていた。
どうやらその様子に数学教師は気が付いていたようだが何もとがめようとはしなかった。
その微妙な状況に言葉も出ないのだろう。
その日夕姫と梨奈は掃除当番ではなく誰にも頼まれることもなかったので久しぶりに一緒に帰ることにした。
「ひさしぶりだよね。」
「そうだね。」
二人は静かに笑顔をかわした。
教室は騒がしく放課後の活動的な雰囲気の中二人の空間だけが異質なものだった。
帰ろうとして教室を出て廊下を歩き出した時、誰かが二人の前に立ちはだかった。
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