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梨奈は赤い水溜りを抜け出したその上履きを見つめていた。
上履きは赤い夕日に照らされているのか染まっているのかわからないほど世界が赤く染まっていた。
「見ていたの?」
梨奈はその声に反応するようにその上履きから足へ、
腰へ、
胸へ、
肩へ、
視線を上らせていく。
その頂点に達した梨奈の意識はそれを理解しないかのようにただただ見つめるだけだった。
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