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―キーン!!!!!
それは突然紀香の耳を潰すようだった。
「ああああぁぁぁぁ!!」
―ガシャーン!!
紀香は振り上げていた花瓶を後ろに落とすとそのまま手で両耳を塞いだ。
大きな耳鳴りのようなそれは紀香を悶えさせた。
座っていた夕姫は耳を抱えてふらふらする紀香を尻目にゆらりと立ち上がった。
ふっと揺れて紀香に一歩近づいた。
ドアの10センチほどの隙間からその様子を見ていた梨奈も耳鳴りを感じた。
思わずたじろいでドアから2・3歩後退して耳を塞ぐ。
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