不協和の夕暮れ
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立っていられなくなって尻餅をついた梨奈の頬に、生ぬるいそれは付着した。 ほんの一滴だけがドアを飛び出して梨奈を翻弄した。 左頬に触れそれを確認すると何がなんだかわからなくなった。 赤黒い何か… 梨奈がもう一度ドアの向こうを眺めやるとまるで秋の紅葉のように赤く染まっていた。 そして、何かが横たわっている。
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