受難

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「あなた名前は?」 そう聞いてきたのはその少女の方だった。 「え…あ、 僕は水野勇気って言うんだ。 三日前に越してきて、一応北中学の2年だよ。 まだ一回も行ってないけど。」 勇気は思わず話題が出来て自己紹介をさっとした。 「ゆうき?」 少女は少し怪訝な顔をした。 「え?…あぁ、 勇気りんりん!の勇気…。 …りんりんって古いか…。」 勇気は一瞬はしゃいだような様子を見せるとそれを言った事を恥じた。 「…そう…。」 少女はそう呟くと壁に背を預けた。 「き…君は?」 勇気はその少女の様子を見て少し心臓が高鳴るのを感じると同じように名前を尋ねた。 「…ユウキ…。」 少女は少し間を置いて言った。 「え?」
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