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「あぁ!?」
その声をあげたのは勇気だった。
梨奈の腕を掴んでいる逆の左腕に何か衝撃を受けたらしい。
しかし、それでも勇気は走り続けた。
そして、階段を下りて、エレベータに乗るとやっと勇気の左腕がどうなっているかわかった。
「…いってぇ…」
勇気の左腕の袖は裂けてその中の皮膚も裂けていた。
血が流れ出て、指先から少しずつ床に滴っていた。
流れる量としては致死量でないにしても病院に行った方がいいか悩む怪我だ。
「この傷…あ…止血しないと。」
梨奈はその傷を見て、自分が昨日負った右腕の傷と似ていると思った。
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