真実の傍にいる獣

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梨奈は着ていたパーカーのポケットからハンドタオルを取り出すと勇気の傷口に巻いてきつく縛った。 「…い!?   …痛いよ!」 勇気は涙目になりながら梨奈に怒鳴った。 「ご…ごめん。」 梨奈は勇気の顔をチラッと見ると苦い顔をしながら呟いた。 ―チン… その時エレベータのドアが開いて、二人は再び走りだした。 息を切らしても止まる気にはなかなかなれなくてしばらく走った。 勇気の方が少し前を走っていた。
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