矛先

2/16
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
夕姫は池のほとりで一人佇んでいた。 おなかがなってずっとご飯を食べていなかったことに気が付いた。 昨日病院で食べた朝ごはんだけだ。 それ以来公園の水道で水を飲んだくらいしか口にしていない。 夕姫はフラフラと立ち上がり、水道のところに行くととにかく水だけは飲んだ。 夕姫はその足で灯りのある方へ歩いていった。 池の水で足とサンダルを洗ったせいか足跡が土にくっきりと残っていった。 しばらく歩くと公園から続く道から上に坂が伸びていてそれをゆっくり上がっていく。 息を切らしながら力の入らない足に鞭打ち登っていく。 足元が覚束なくて躓いて転んでしまった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!