矛先

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そのパトカーのうち何台目かの車が突然夕姫の進行方向のコンビニの駐車場に止まった。 夕姫は一瞬止まってその様子を見ていた。 乗っていた巡査の一人が夕姫に近づいてきたのがわかった。 しかし、夕姫はその場を動くことも目をそらすこともなく彼らを見続けた。 「君。こんな時間に危ないよ。 さっきそこで強盗殺人があって、ここら辺にまだ犯人がいるかもしれないんだ。 早く家に帰りなさい。」 夕姫はその巡査の言葉を受けて少し間をあけると口を開いた。 「すみません。 迷子になってしまって…。 家がどっちだったかわからないんです。 けっこう遠くまで来てしまったし…」 夕姫は苦笑いして見せた。
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