烈風の町

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一人取り残された望は玄関でしばらく立ちすくんだ。 嫌な感覚に押しつぶされそうになって駆け足で二階に上がり、携帯電話とノートパソコンをリビングに運んだ。 そしてまた二階に上がるとその他諸々の機械をリビングに運んだ。 それらの機械の配線を繋ぎながらテレビの画面を時々見た。 勇気が持っていったのはあの盗聴器の入ったままのバックだった。 そして発信機まで忍ばせている。 発信機から発せられる電波を捉えられる機械は勇気が持って行った以外にもう一つあった。 それは望と勇気を繋いでいるものだった。 望はそれらのスイッチを入れると祈るような気持ちで様子を伺った。
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