降下

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30メートルほど進んだあたりで逃げる人を見かけなくなった。 進めば進むほど風が増し、まるで台風が来るかのような風だった。 しかも前方から色々と物が飛んでくるし、それらは燃えていることが多かった。 勇気はその通りにある建物や塀を盾にしながら進んだ。 飛んでくるものは様々だ。 壁の一部か何かであろうコンクリートや自転車、車、木、ガラスの破片、それに人… それは凶器でしかなかった。 木なんかはほとんど炎に包まれて飛んでくるのであたりは火の海と化していた。 それが止まっている車にぶつかったりしてさらに大爆発を引き起こし、火はとどまることをしらなかった。 その竜巻のようなものの50メートルほど近くまでくるともう立っては居られないくらいだった。
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