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夕姫はその町を眺めた。
暗闇に灯る街の灯が空を照らしている、その町が過ぎていくのがわかった。
夕姫は俯いてポタポタと涙を流した。
その情動に湧く感情が引き金になることはわかっていた。
だから、涙を拭いて思いっきり息を吸い込み、吐いて気を落ち着かせた。
目的地に着くまでその気配を押し込めなければいけないと必死だった。
そして電車の天井に釣り下がっている広告を見た。
そこにはもうクリスマスの文字があった。
それらの広告をぼんやりと眺め電車に揺られていた。
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