二つの意志

4/9

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
何十メートルほどの跳躍を繰り返して移動する夕姫は5キロほど移動したあたりで着地した。 頭を抱えてしゃがみこむが、すぐに、立ち上がり、ふらふらと歩いた。 夕姫は街の片隅にあったベンチに腰かけるとふと上を見上げた。 その視線の先にはビルがあり、そのビルは駅ビルとなっていた。 夜の11時過ぎを回った時計が中央に光っていて、電車がそのビルの端から現れるのが見えた。 「遠くに…行かなきゃ。」 夕姫は立ち上がるとふらふらとそのビルに吸い込まれていった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加