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夕姫の身体に巣食う何かしらは夕姫に死なれては困ると思ったのだろうか。
おそれくそれは夕姫が餓死しないために盗った物だろう。
それにまんまと填る自分に強く嫌悪を抱いた。
「この電車は最終電車です。」
夕姫がホームに着いたころ駅員がマイクでそう告げていた。
夕姫は迷うことなくその電車に乗り、座った。
意外と人がいたので隅の方に座ると一気に眠気が襲ってきた。
しかし、夕姫は必死で目を見開き、向かい側の窓から外を眺めていた。
行き先はもう決めていた。
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