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―ブォン!!!
突然車が唸り急発進し、少し行った先でUターンした。
「うう…。吐きそう。」
いきなりのスタントのような運転に吉原は吐き気を催した。
「気合が足りん。」
柴田はそう断言して車の加速をあげた。
しばらく走ったあたりで、国道に出ると吉原は落ち着いてきたのか疲れたのか身動きしなくなった。
勇気は未だにLOSTという表示のモニターを抱えていた。
それだけが頼りなのである。
「この時間から考えると夕姫の乗ったのは終電ですね。
そうなると遠くてもその止まったところにいるかと…。」
梨奈はそう言いながら携帯を見ていた。
どうやら、乗り換え案内のサイトで確認していたらしい。
「どこだ?」
柴田は前を見据えたまま言った。
「菊山です。」
梨奈がそう言うと4人はまた沈黙し、車内は静寂に包まれた。
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