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「お前は兄貴のようにならずそのまま育てよ」
「どういう意味だてめえ」
兄貴は兄貴だからあれで通用しているんであって、俺は兄貴のように頭も顔もよくないからあんな風になることは絶対ないから安心して欲しいせんせー!
とりあえず撫でられたのが嬉しくて先生に笑顔を返すと兄貴はわざとらしくため息をつく。
「俺のような兄がいるのに何故そいつに懐くのかかわらねえな」
「おっ?兄貴やきもち?やきもち?」
「…愚弟が。言うようになったじゃねえか?」
「ぎゃあ!イタイイタイ!ごめんなさい!!助けてせんせぇ~」
「ほらそーいうとこだろ。よしよし」
兄貴にまたもや脛を蹴られ涙目な俺を先生が慰める。
なるほど、魔王のような兄貴に唯一対抗できる優しいせんせーだからよけいに好きなんだな?
でもなにより手がすきだなあ。先生に撫でられるとたまらなく嬉しくなる。
そして不満そうな兄貴を先生が揶揄いつつ、俺の学校の話などをしながらしばらく美味しいお肉様を食べていると、トンと俺の肩に先生が傾いて軽くぶつかった。
「わ、せんせ大丈夫?結構酔い回っちゃった?」
「ん、…わるい、ちょっとだけ、」
今日は代行を呼んで兄貴の家に泊まる予定だから先生も日本酒をあおっているが、正直先生はお酒がそんなに強くない。
でも久々に兄貴と会ったのもあってかペースが速かった気がする。
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