3. 高橋くんとカイチョー

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「はーあ…つかれた~~~」 ばたーっと硬いベンチに倒れこむ。 6限の世界史の先生には何だか目をつけられているみたいで、よく授業後に重たい資料等を離れた旧校舎に片付けさせられることが多いのだ。 そうしてるうちに旧校舎脇に割と綺麗な庭園を見つけた俺はいつもここで休憩してから帰るようになった。 俺がパシられているのを知っているクマちゃんは悲しいかな俺がいなくても帰りのホームルームを始めてしまう。 …まあおかげでダッシュで帰る必要がないからいいんだけどさ! 「さーて、おやつおやつ~」 ポケットから弁当の残りを串に刺しただけ!のお手軽お手製唐揚げ棒を取り出し包みを剥がす。 育ち盛りの男子高校生に一日三食で足りるわけがない!!帰ったら夕飯もご飯大盛りでもちろん美味しく頂くつもりだ。 「いっただきまー…あ?」 近くの茂みが小さく揺れたのを境に捉えてよく見るとそこからひよこのような小さくまんまるな鳥が姿を現した。 その鳥はちょこちょこと短い足を動かして俺のベンチに近寄ってくる。 「えー!?なにこれなにこれ!おもちゃ?じゃないよなあ…あ。もしかしてお腹空いてる?」 動物に揚げ物ってどうなんだろ…たぶんダメだよな。ぴぃぴぃと鳴く鳥をどうしたもんかとベンチの上で眺めているとズサアッ!と何かが勢いよく目の前を通り過ぎた。
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