3. 高橋くんとカイチョー

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な、なに、!? よく見ると滑り込んできたのはウチの学生のようでうつ伏せのため顔も学年もわからないがここの制服を着込んでいる。 そいつの手の上には大事そうに先ほどの小鳥が乗せられていた。 「あ、あの…?大丈夫、すか?」 むっくりと立ち上がるそいつにちょっとビビりながら様子を見ていると鋭く睨みつけられる。 って、このひと… 「てっめぇ、ピヨ丸になんてもん食わそうとしてやがるッ!この外道が!!!!!」 「え?、いやあの誤解ですって、…いや、つかなにしてるんですか会長さん…?」 宝物のように胸に大事に抱えられた小鳥は呑気にぴぃぴぃと鳴いているが、それを抱えているのは間違いなくウチの学校のトップである生徒会長だ。草まみれの。 「なにが誤解だ!おまえが手に持っているのはなんだ!」 「え、普通の唐揚げ棒……あ。」 揚げ物うんぬん以前の問題だったことに気づいてしまった俺はもう一度包みにもどしてそっとポケットにしまい直した。 これは同室のやつに後で食べさせよう… 俺がブツをしまったことでやっと冷静になったらしい会長は小鳥を地面にそっとおろすとその近くに座り込んだ。 「なにしてんですか?」 「おまえまだ居たのか。見りゃわかんだろご飯あげてるんだよ、さっさと帰れ!」 取りつく島もないというか覗き込んだだけで毛を逆立てた猫のように威嚇してくる。
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