3. 高橋くんとカイチョー

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「その小鳥は会長が飼ってるんです?」 「…………………」 無視だ。無視されたぞ。 俺の兄貴ですら流石に無視はしないのに! 会長に反応がないのでエサをつつく小鳥に視線を落とす。 小さな身体で一心不乱に食べる姿はたしかにかわいい。たしかさっきピヨ助って呼んでたな… 「あーあ。キミのご主人様は無愛想だねぇ~ピヨ助」 「ピヨ丸だっっ」 「わっ、もお~いちいち怒鳴らないで下さいよ!びっくりするじゃないですかぁ!」 「お前が怒鳴らせてんだよ!」 会長のことは舞台で挨拶してるのを遠くから眺めるぐらいしかしたことなかったけどいつもこんな怒ってるのかな… 何か言ってまた怒鳴られるのもヤだし、このまま立ち去るのもなんかなあ、と思いベンチに座ったまま会長のエサやりを眺めているとお腹が満たされたらしいピヨ助は俺の足元まで歩いてきた。 「あっおいピヨ丸、そんな奴に近づいちゃダメだ!食われるぞ!!」 「やだな、食べないですって!おーよしよしこっちおいで~~!わ、懐っこいなー!」 「ピヨ丸……」 ピヨ助を両手で掬い上げると嫌がる様子もなく俺の親指に擦り付くのを見て思わず笑顔になる俺とは対照的に悲壮感たっぷりな会長。 隣から溢れ出る負のオーラに笑っていた頬も思わず引きつる。 なんだか可哀想に思えてきた。
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