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先生のひんやりとした綺麗な手が、すっと俺の髪を梳くのが気持ちよくて目を細めた。
ふっと先生が笑う気配がして顔をあげると楽しそうな先生の顔。
「埃ついてる。そんな所で何してたんだ?」
先生を見つけてなにも考えずに飛び出したけど、
あれ、そういや俺なんで掃除用具入れになんか........
「見つけたぞォ....高橋ィ!!」
「げっ」
クマちゃんと追いかけっこ途中だったあ!瞬時に逃げる体制を整えたが、一歩遅くクマちゃんに襟首を捕まえられていた。
「コイツなにかしたんですか?」
「補習バッくれようとしやがってよォ....」
先生の問いにクマちゃんは先ほどの俺の答案用紙をヒラヒラさせる。
その紙をまじまじと眺めて先生は呆れたように溜め息を零した。
「....ズレてますね、回答欄。」
「え」
「そーなんだよなァ、珍しく真面目に勉強してきたかと思えば....ハァ」
ばっとクマちゃんの手から俺の小テストを奪い見てみると、確かに、ズレてる。
俺は丸暗記したままに書いたので、そんな事に気づくはずもなかった。
「漢字は書けてるんだからいーじゃん!順番がチョット違うだけ!ね!」
「良い訳あるかァ!点数に繋がってなきゃあ、無意味だ阿呆!」
「クマちゃんのケチー!」
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