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そのあと急いで車に飛び乗ると、待ち合わせているお店へまで車を走らせた。
お店につくと品の良いお姉さんが俺たちを個室へと案内して戻っていく。
ここには何度か連れてきてもらったことがあるけど、こじんまりとして落ち着きがあるいいお店だ。先生たちに連れて貰ってなかったら高校生の俺が入れるような所ではない。しかも肉が超うまい!
「遅せえ」
個室の襖を開けると不機嫌そうなその人がいた。西洋の血が入っているその人は全体的に色素が薄く、物語の王子様のような外見とは裏腹に中身は唯我独尊、俺様の王様だ。
「悪かったな。連絡一応入れたんだけど見たか?」
「見た。俺を待たせる奴なんてお前ぐらいだぜ」
掘りごたつのようになっているテーブルに、先生と隣り合わせで座る。すると斜め前に座っていたその人の目線が俺を射抜いた。
「で、慎太郎。この俺を待たせた理由を言ってみろ、簡潔になぁ」
「ごめんってー、小テストの最試験が、っ痛い痛い!」
「あんな簡単な小テストも出来ないってほんとに授業出てんのか?お前の頭は空洞か?脳ミソ詰まってんのか?あ?」
正直に話すとテーブルの下でピンポイントでスネを蹴られた。流石というか、少しも手加減がない。
この人も先生も俺と同じ学園の卒業生だ。しかもこの人はうちの元 生徒会長様で学力テストもトップ独占してたような人だ。小テストすらクリア出来ない俺が理解出来ないんだろう。
「まあお前の貧相な頭は今に始まった事じゃねえ。それより問題はこの俺より最試験を優先したことだ、そんなもん放って来いこの愚弟が!」
そう、このどこをどう見ても似つかない俺とこの人、柳橋 景時は腹違いとはいえ兄弟なのだ。苗字は母さんの意向で俺もこの人も元の苗字から変わっていないけど。
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