初恋

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4歳になる娘がいるという彼女は、 昔と変わらず色が白くて繊細で、とても母親には見えない。 「ユウなら、撮影終わり予定は夜中だけど」 「そっか。近くに来たから、就職の報告に来たのにな。」 「どこの出版社に決まったんだっけ?」 「光文舘だよ」 就職と言っても、正規雇用じゃない。 フリーのカメラマンだった俺の写真を高く評価してくれた週刊誌の編集部に、 専属としての仕事を依頼された。 「大きなところよね」 娘の菜月の手を引いて、庭を歩く彼女は、とても美しい。 「本当は、水城さんみたいな芸術的な写真だけを撮りたかったんだ」 ____水城 雪…… 俺の初恋の人の夫は、 有名なカメラマン″ 水城ユウ ″ 。 全てにおいて、俺が羨望を抱く家庭を二人で築き上げていた。
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