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「あ、この子、うちの客なの?」 ホモバーから出てきた普通の男。 ノースリブの腕がたくましくて、ノン気なら女にモテそうなタイプだ。 「美和さんの連れ。アレの研究してるらしいよ」 ″アレ ″ それで通じちゃうほど、篠崎のお遊び研究は知れ渡っているんだ。 「カワイイな、媚薬になんか頼らなくてもこっちの店なら、すごいデータ取れるのに。 君なら、俺、半時間で六回抜けるよ」 ブーッ!と、 レズビアン達が吹き出している。 「中途半端な数言ってんじゃないよ!」 それに、ムッときたホモ店員。 「…………女同士で、いったいどんな快楽が味わえるっていうんだよ? お互いに誤魔化しのセックスしかできない悲しいサガのくせに」 その反撃が、 「はぁ?!? お前らみたいに、入れられさえしたらOKみたいな簡素なセックスしてる訳じゃないんだよ!ハートで繋がってるんだから!」 低次元で嫌になっていたところへ、 「何?楽しそうね。 どうでもいいけど、 私の連れ、返してくんない?」 篠崎美和が、 呑気に煙草吸いながら現れた。 その目は、 とても生き生きしている。 なにを、しでかすんだ?
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