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「……アレ、配って実験してるんだろ?くれよ。俺らにも」 欲望剥き出しのホモ店員。 いつの間にか、俺の服の裾を掴んでやがる。 また、この流れ? 「美和さん、千帆が、すごくいいって言ってたの!後遺症もなくて、誰にでも合うクスリだって」 レズビアンの二人も、 美和に寄り添うように甘えだして、 奇妙な人間関係が出来上がっていた。 『千帆……確かインフルエンザにかかった女か』 「そうでしょうね、アレ、自然に繁殖する植物から抽出して作ってるから、副反応は少ないのよ」 篠崎は、煙草を壁で揉み消すと、 バッグから また、 注射器と、透明の容器を取り出して見せた。 「そ、そう、それ!」 興奮するゲイたち。 「マカに、朝鮮人参、ホザキノイカリソウ ……昔から媚薬や興奮剤として飲まれてたものを、化学反応させて、誰にでも直ぐに効果が出るように作ったの。 しかも、違法ドラッグのような害もなく、 中毒症になることもない 優れもの」 レズビアン達にクスリを打っている女。 その顔、 めちゃくちゃ怖い。 そして、 「スワッピングが条件よ」 予想通りの提案をして、 俺を巻き込んでしまう。 二丁目のビルの地下で、 屈辱と新鮮さを堪能するゲイたちが 一時の快楽のために、 命の華を、 また、 枯らしていく______
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