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「それは、お前がグラビアにしろアイドルにしろ、人気者になったらユウさんをカメラマンとして使えるんじゃないの?」
いつの間にか、
敵視していた水城ユウのことを好意的に話すようになった妹。
一体、何があった?
「ねぇ……おにいちゃん」
村上さんが、″ いつまで話してるんだ? ″と言わんばかりに此方を見ている。
俺の携帯なんだからほっとけよ、
とも言えず……
「なに?また後でかけ直すよ、今 会社だから……」
「お兄ちゃんは、
あの雪って人が好きなんでしょ?」
「!」
俺の心臓に、
ズキッと刺す事を言うから
ブツッ!
……と、その電話を慌てて切ってしまった。
妹にそんなこと言われたら、
恥ずかしくて死にそうになる。
「桃田____!それ終わったらこっちの記事に使う写真も編集しとけよ!」
「は、はい!」
″ 好き ″
とか、
そんな綺麗な言葉とは、ちょっと違うんだ。
「もしもし?」
俺の欲望は浅くて、
「篠崎さん?九時には会社出れそうだよ」
汚くて、
限りなく 底が見えないんだ。
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