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「新宿に面白い店があるのよ」
篠崎美和が運転する赤いクルマは、
ランボルギーニのカウンタックとか言うやつで、
とにかく目立つ。
フェラーリと並ぶ人気のスーパーカーらしい。
「まさか、ゲイ.タウンじゃないよな?」
そんなに儲かる仕事なのか?研究って。
そもそも
ひっそり研究しなきゃいけない人間の癖に、こんな車に乗り回すあたり、
本来は目だちたがり屋なのかもしれない。
「あら、よく知ってるわね、田舎者の癖に」
「うるせぇ」
″ 面白い店 ″
新宿二丁目なら、どーせゲイの店だろう。
もう、ゲイはたくさんだ。
ニューハーフももちろん見たくない。
飲むなら普通の店がいい。
立体ではない駐車場にクルマを止めて
篠崎は、また、俺の腕をとって店に入っていく。
『やるだけなら、ホテル真っ直ぐ行ってくれた方が話早いんだけどな』
「いらっしゃいませー!あ、美和!」
ビルの地下にあるその飲み屋は、
入ってビックリ。
店員も、
客も、
『女ばっかり……』
唖然と、立ちすくむ俺を愉快そうに見て笑う篠崎。
「今日の研究材料はレズビアンよ」
もう
…………勘弁してくれよ。
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