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「ここ二丁目じゃ、ニューハーフはゲイのうちに入らないのよ!」 おなべ でもなく、 普通の女性従業員目当てに、女の客が訪れる店。 ギラギラした感じはなく喫茶店みたいな雰囲気だ。 「あんた、よくこの店来れたわね~」 「はぁ……」 まさに俺だけが完全にアウェイだった。 篠崎の車があるので、俺はソフトドリンクを口にしている。 超つまんねぇ 「美和に会いたいって客が沢山いるのよ」 「へぇ、どのこ?」 篠崎は、ワインを飲んで、ママと雑談して楽しそう。 「あの子もそうだし、ほら、 あの彩子と同棲してた千帆って女の子、あんたに会いたいって言ってたのに、 新型インフルエンザになったらしくて」 「えー、そうなの?可哀想」 気持ちのない言葉で答えながら、 客達を物色していく篠崎。 その目はハンターだ。 「ちょっとトイレ行くわね」 今度は誰を使うんだ? まるで野生の雌豹のような格好をした篠崎は、 ″ 妹 ″ 側の女からしたら憧れの的なんだろう。 視線を一斉に集めていた。 ♪♪♪♪♪♪ 「ん?」 トイレに行った筈の篠崎から電話がかかる。 「桃田くんもトイレにきて」
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