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また、トイレか……。
この店のはきっと狭いし、クスリ使ってデータ集めなんかできやしねーぞ。
そう思って、
「そこは、行けない……」
と、篠崎の誘いを断った。
「ねえ、ちょっと」
篠崎が席を立ち、ママも他の客の相手をしだして、完全にぼっちで飲んでいると( しかもオレンジジュース )
「な、なに?」
一人の女の子が俺に声をかけてきた。
ストーレートというのか、そう、ノーマルな女の子ならいいな。
「あんた、美和さんのナニ?」
普通だけど、睨みを効かせると、
めちゃくちゃ恐い女の子。
この子も、レズなんだ。
「……仕事仲間です」
「ふぅん。ほんとにそんだけ?」
いや、……ウソだけど。
「彼女の研究に協力してるだけです。」
本能で、男女の関係だとは言わない方がいいと判断している。
「研究?美和さんて媚薬作ってるんだよね?」
……そう、T感染症研究所という、大きな組織のなかで、邪道かつ娯楽的なもの作ってらっしゃるみたいですよ。
「そこは、あまり詳しく知らないんですよ」
本当に、
篠崎美和のことは、良く知らない。
「知らないで協力できないよね?
ちょっと、表出てよ」
「えっ?!なんで?」
細身の女の子なのに、とても怖い。
「いいから、ここじゃ話せないから!」
「あっ?!ちょっ……?!」
こんな感じで、
店の外にレズの女の子に半拉致されてしまう。
しかも、
他にもう一人、ガタイのいいお姉さんまで付いてきて……
____ 俺、ナニされるんだろう?
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