8/38
前へ
/38ページ
次へ
また、トイレか……。 この店のはきっと狭いし、クスリ使ってデータ集めなんかできやしねーぞ。 そう思って、 「そこは、行けない……」 と、篠崎の誘いを断った。 「ねえ、ちょっと」 篠崎が席を立ち、ママも他の客の相手をしだして、完全にぼっちで飲んでいると( しかもオレンジジュース ) 「な、なに?」 一人の女の子が俺に声をかけてきた。 ストーレートというのか、そう、ノーマルな女の子ならいいな。 「あんた、美和さんのナニ?」 普通だけど、睨みを効かせると、 めちゃくちゃ恐い女の子。 この子も、レズなんだ。 「……仕事仲間です」 「ふぅん。ほんとにそんだけ?」 いや、……ウソだけど。 「彼女の研究に協力してるだけです。」 本能で、男女の関係だとは言わない方がいいと判断している。 「研究?美和さんて媚薬作ってるんだよね?」 ……そう、T感染症研究所という、大きな組織のなかで、邪道かつ娯楽的なもの作ってらっしゃるみたいですよ。 「そこは、あまり詳しく知らないんですよ」 本当に、 篠崎美和のことは、良く知らない。 「知らないで協力できないよね? ちょっと、表出てよ」 「えっ?!なんで?」 細身の女の子なのに、とても怖い。 「いいから、ここじゃ話せないから!」 「あっ?!ちょっ……?!」 こんな感じで、 店の外にレズの女の子に半拉致されてしまう。 しかも、 他にもう一人、ガタイのいいお姉さんまで付いてきて…… ____ 俺、ナニされるんだろう?
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加