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「なんで、俺?」 村上さんが、パソコンに届いたエドワード博士からのメールを見せてくれて、 確かに日本語で、 今回のワクチン発明製造の発明奨励賞に関しての取材の希望記者名が 【光文舘 桃田和哉】と記されいた。 「舐められてるのか、信頼されてるのか、どっちだろうな」 編集長もそのメールを見て不可解そうな顔をしている。 「写真も忘れんなよ」 「……はぁ」 偽りゴシップ記事の編集途中に、 その会見取材の場へ向かわされる事になった俺。 ……正直、怖かった。 きっと、あのとき、篠崎美和が実験台にしたゲイの誰かが、新型インフルエンザにかかって 死亡していると思ったから、 できたら、もうあの研究所の人間には関わりたくない。 それが、本音だったのに、 一度覗いてしまった疑惑の渦に、 完全に飲み込まれようとしている。 「お、光文舘さんが一番乗りですね」 会見場所であるはずのホテルには、 俺一人だけだった。 そこにはエドワード博士にSP、 篠崎美和までいた。 もう一人の生物兵器に携わっているはずの井上博士はいない。 「桃田くん指名したのは私よ」
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