母性

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「悪は、悪人の手で広められるべきなのよ」 電話の向こうで、 魔女のような声で囁き続ける篠崎。 「急いで書きなさい、そしてすぐに掲載、販売に持っていきなさい。 じゃないと次はあんたの妹狙うから」 「菜月はどうしてる?!」 心配そうに俺を見つめる雪さんの視線が痛い……。 「…………子供の実験台って、 欲しかったのよ」 俺の中の悪の部分を、 悪魔に見透かされていた俺は、 「……書けばいいんだろ?」 ドラゴンボールの、 べジータになった気分だった。
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