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「……どうする?」
俺たち二人を見つめるユウさんの目は、
冷たく突き放すようで、
やっぱり
優しかった。
「…………俺は、雪さんが死んだなんて信じられない、それを確かめたいし、菜月ちゃんを俺のせいで怖い目に合わせてるから……」
足手まといでも、
ユウさんと、篠崎美和のあとを追いたい。
「律子は、撮影あるんだろ?どこのスタジオ?」
「新宿よ」
「封鎖されてるやん」
と、ずっと黙っていた電車マニアが口を出す。
「俺は、東京の人口改革を企てたやつらを凝らしめるまで、あんたらに付いていく」
…………そこまでは、みんな考えてないと思うけど。
「俺は、会社戻って記事書くから、じゃあな!」
一人、外で待っていた村上さんは、
″ もう、つきあってらんねぇ″
って顔をして、俺たちに背を向けたけど、
「待てよ、村上さん」
ユウさんが、
その肩に手を置いた。
「事故の現場に連れていけ、あと篠崎の行きそうな場所、あんたなら分かるだろ?」
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