再会

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「桃田くん、どうしてここにいるの? 井上さん…………生きてたの?本物?」 しわくちゃになった白衣を纏い、 村上さんとユウさんと共に現れた篠崎美和…… きっと、井上博士の抹殺計画も知ってたんだ…… ___本当に怖い女。 「そう、俺はゾンビなのかもしれない。だが、まだ、エイドリアンにはチクるなよ」 イマイチ 事情が分かっていないはずのユウさんはさておき、 村上さんは、失踪したはずの博士が目の前に現れて少しパニクっている様子…… 「強毒インフルエンザをばらまいて疾走したってのは、やはりデマだったのか?!」 「それは、あとでこの少年に聞いてくれよ」 と、博士に指をさされた俺、もう少年じゃないけどね。 井上博士は狼狽える篠崎を押しやり、 玄関の鍵を開け始めた。 「スゲー、……おっぱい」 ……何故だか、異常に乱れまくった衣類から 篠崎の豊満な胸があらわになっていて、 「え、……Fくらいありそう」 電車マニアの男が食い入るように見つめていた。 「井上さん!ここに何しに?!」 その視線をまるで無視した篠崎は、 ドアノブを回す井上博士の手を慌てて 止める。 「俺の娘が新型インフルエンザになったんだ。 更に進化した抗インフルエンザ剤のサンプルを取りにきた。」 「瑠璃ちゃんが……」 そして、 急に顔色が悪くなった篠崎美和が、 突如、 「わっ!!」 ドン!!! と、 井上博士を突飛ばし、 玄関のドアを開けて、ガチャン!!と チェーンロックをかけて一人入室。 「えっ」 「おい?!美和?」 「おい!!篠崎!!早く菜月を返しやがれ!」 血相を変えてドアを叩く ユウさんの言葉で、 菜月ちゃんがここいることが判明。 「篠崎さん!! 俺は約束の記事書いたよ!早く菜月ちゃんを雪さんのところに返してやってくれよ!」 あんたとのセックスに愛情はなかったけれど、 キライじゃなかった。 「美和!!」 もう、 これ以上、 悪女になるのは、やめてくれ。
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