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呆然とする俺と律子……
「篠崎!!お前のやってること犯罪だぞ!」
追いかけようとして、
それを井上博士に止められるユウさん、
「チッ!あの女!1人車乗っていきやがった」
そして、いつものようにイライラする村上さん。
……ただ1人、
「峯藤子みたいな女だなぁ」と、
興奮している電車マニア。
この面子が、ここに揃うことは、
もはや無意味だ。
「美和は、いったい何のサンプル持ち出したんだ?追いかけるなら、その抗薬剤も持っていかないと!」
井上博士は、部屋に入り 中のサンプルを探し始めた。
「とにかく俺は 戻ってあの女の誘拐記事書かなきゃ!大スクープだぜ」
「村上さん!」
マンションから足早に立ち去ろうとする先輩記者の腕をグッと掴んだ俺、
「…………な、なんだよ?」
ホントに雪さんが死んだなんて、
それを認めたくなくて__
「篠崎が言ってた、雪さんはあなたのせいで事故したと……それは事実ですか?」
否定の言葉を頭のなかで繰り返した。
「……あ、いや……」
……なに、
オロオロしてんだよ?
否定しろよ。
あの女のデマカセだってさ。
「俺もさっきは病院から出るのに必死だったから、まともに信じてなかった。
村上さんって言ったっけ?そこ、詳しく知りたいな。
……お前、雪に何をした?」
あんたの罪悪感に苛まれる顔を、
俺も、
水城ユウも見たいわけじゃない。
「な、なにもしてない!」
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