再会-2

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娘の瑠璃さんのために薬を隔離センターへ持っていかなきゃ行けない井上博士は、 「俺は、まだ死ぬわけにはいかないから、研究所には行けない。 俺も美和も立ち入り禁止だった地下室がある、そこがきっとエイドリアンの隠れ家だ。 あんたの娘を隠すつもりかもしれない。」 俺達が向かう方とは逆を歩き始めた。 「研究所ならわかるよ」 俺が初めて篠崎美和と出会った場所……。 「えー、また歩くの?!」 律子と電車マニアは不満そうにしゃがみこむ。 「嫌ならそこに二人でずっと座ってろ」 速度を緩めないユウさんの背中を追う俺。 「二人はいやっ!ユウさん!!待って!」 そして、律子が何かを思い出したかのように、 もう姿の見えない井上博士の方を振り返った。 「さっき、言いそびれたんだけど」 「ん?」 娘と妻のために歩くユウさんの足は、 とにかく速かった。 あとを追うのに必死な俺達。 「井上さんの自宅から出てきた奥さん、 雪さんにそっくりだったの」 「え」 未来は明るいと信じなければ、 前へは進めない______ image=485287946.jpg
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