本質

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「え?!何いってんの??そんな女みたいな顔してさ!」 少年の大きな声に 律子がウトウトしていた目を見開いてこちらをハッと見る。 「お前が賢い男だと信じてるよ」 同じく、大きく目を見開いた少年を押しやり、 「律子ちゃん!」 体操座りしていた和哉の妹の両腕をがっちりと掴む。 「…………ユウさん?」 よく見たら、 俺が何度も抱いた桃田容子の面影を残す美少女___ カメラのレンズ越しに、 眩しいほどの裸体を惜しみなくさらけ出してきた女の子、 「この間の続きをしよう、今日は傍観者がいるけど」 俺を 好きだと言ってきた、 16歳の女の子。 「えっ?!なっ?!何急にその気になってんの?!!」 少しだけ、 一肌脱いで欲しい。 「おいッ?!何血迷ってるんだよ?こんなときに発情してんなよ!!?」 俺を止めようとする、少年を振り払い 「やだっ!!こんなところで!」 わずかに身を隠すだけとなっている病人服を、強引に上へ上へまくりあげて、律子の驚いた顔をそれで隠す。 暴れる みのむし状態の律子の手首を、 左手で押さえ込み、 その小さめの胸に、歯形をつけるような強目のキスを繰り返した。 「ユウさん!!」 まさか、自分にこんな力があるとは思っていなった。
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