本質

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「和哉くん、良い話があるの」 俺と律子と、電車マニア男、そしてユウさんが軟禁されている部屋に、 篠崎美和が水と食糧を持って入ってきた。 食糧といっても、 健康食品のブロックバーやチョコレートなどの非常食。 「良い話?」 何でこんなものがあるんだろ? バイオハザードに陥った時のための保存食か? 「ええ、少し皆さんと離れてこっちに来てくれない?」 疲れた様子のユウさんに、チラりと一度視線を移した篠崎美和は、 「最後に一もう度だけ、あの男に抱かれたいわよね」 才女の裏の顔を ふたたび露にし始めた。
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