本質

5/35

71人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「最後に?もうすぐ警察でも来るの?」 篠崎美和が持ってきて物を口にしながら、 静かに水を飲むユウさんを俺も眺める。 「来ないわよ」 「?じゃ、何が最後になんだ?」 そもそも、 俺の事を好きな風に言っておきながら、 ユウさんと関係したことを堂々というか? この女の本性がわからない。 美しき淫靡な才女、 その魅惑的な唇から漏れた返事は、 「彼はもうすぐ死ぬからよ」 予想もしていない未来。 「死ぬ?」 「和哉くん、私は貴方を守りたいの」 俺に腕を回してきた篠崎美和に、 その部屋にいる他三人、注目せざるをえない。 「廊下へ出て」 今度は 何をたくらんでるんだ?
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加