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「薄汚れた牝豚は、こんなものでも喜んでくわえるんだよな?」
拳銃を口にした雪さんを見て、
素肌の上に直接纏った白衣の下で体の一部を硬直させるエイドリアン。
「涙を流すほど、それは美味しいかい?ほら、もっとイヤらしく舐めないと口の中が破裂してしまうよ?」
この光景を見て、興奮しているのは同じ研究所の人間たちだけだ。
『この変態ども』
その鬼畜ぶりを思いきり罵りたくても、一触即発のこの状況では、それも難しく、
ひたすら俺は、
そのイカれっぷりに殺気が加わらない事を祈るしかなくて、
「おじちゃん!ママ、いじめないで!ママ泣いてるのに、意地悪しないでー」
せめて、
菜月だけでも、無傷でいてくれたら、と
「お嬢ちゃん、これは俺を陥れようとした汚い女にお仕置きしてるだけだよ」
ただ、
そう願うしかなかった。
「やはり、俺の本物のパートナーは、
ゆかりしかいない。
淫乱なお前は、あの世で先に死んだ元不倫相手とセックスを楽しめばいい」
けれど、
「すぐに、夫の水城もあとを追うから、
今度こそはうまくやるんだよ?」
エイドリアンが、拳銃の引き金を引いていているのを目撃して、
その願いも、
粉々に砕かれそうな残酷な現実が
目の前に大きく立ちはだかっている事を知った。
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