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「さぁ、選別の時間だ」
研究員たちは、何が始まるのだろう?とお互いに顔を見合わせて、
それでも、エイドリアンの指示を忠実に守り、俺とユウさんを押さえつけている。
「ママー!パパー!」
四歳の娘にも、この状況のただ事じゃない緊迫が伝わるのか、
防護服を着た男たちの腕の中で両親の方へひたすら逃れようとする。
「その娘の前で、不必要なものから消していく」
薬が完全に効いたのか、
苦しそうな表情は消えて、今度は楽しそうに銃口を、雪さんの頭から、
耳元へ、
そして、
口元へゆっくりと移動させるエイドリアン。
その様子を、
連れてこられたばかりのゆかりさんも、
固唾を飲んで見守っていた。
「舐めなさい」
すっかり
生の顔色を失った雪さんに、
今度は、
拳銃を舐めるように命令する。
「早くしないと、この銃口が君の大切な人に向けられるよ?」
「………………」
頭を掴まれたまま、
恐る恐る、
雪さんは、口元に近づけられた拳銃を口に含む。
その姿を上から見下ろし、興奮する変態野郎へと化した天才博士。
やっぱり、
天才と馬鹿者は紙一重って本当なんだ。
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