いっせーにょ! いちっ!

2/18
前へ
/24ページ
次へ
 こんな感じの導入は食傷気味だろうか? その日、俺は限りなく急いでいた。  テンプレートとも言えるべくお約束……遅刻と戦っている訳だ! 遅刻戦隊カエルンジャー! 帰らない。  丁寧に身支度を整えてから家を出る頃には、残り時間は10分を切る頃だった。  もし、あと10分遅れていたら、開き直っていただろう。  もし、この時間が1秒でも狂っていれば、俺の日常は変わらなかっただろう。  たぶん。あ、でも、1秒は言い過ぎだな。3秒いや10秒程度の誤差なら大丈夫だった。  とにかく。  そんな奇跡とも形容出来そうな偶然が、始まりのキッカケとなったわけだ。  本当はずっと昔から始まっていたのかも知れないけれど。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加