侵入と惨劇

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観客席で観覧しながら 青い炭酸のジュースを飲む  中にはアイスクリームが浮かび スライスしたオレンジや小さな傘にサクランボ 「拓ちゃん サクランボほしいな」「はいはい柘榴お姉さま」 ・ 「今日はまた 違うバージョンね」楽しげにお祖母様は言う 「お祖母さま 次は箱に 女性が入ったわ」 シルクハットから花や鳩を出しながら  今日は真っ赤なバニー姿で くるくると踊り シルクハットをマジシャンに手渡して マジシャンが指差した 今度は大きな縦長の箱に入る 3個の扉がついてる箱 一つ一つ 重々しくパタン、パタンと扉を閉めた 今度は 箱の3箇所それぞれに 大きく平たい金属を差し込む 上の部分を取り出して、真ん中と入れ替える 真ん中の箱を開くと 女性の顔が出てきて ウインクひとつ 上の箱を開くと 女性の上半身 扉を閉めて、また箱を元の位置に戻す そして全ての扉を開くと 元通りの姿で 女性が立っていた ショーの歓声があがる中で  他の場所では次々と人が殺されていたのだ 難民船の難民に偽装した敵が 船から次々と乗り込み 甲板から ヘリから降り立った男達が目印の硝煙等が炊き 合図を送る 「なんだ?」甲板上で難民達の世話や検査 をしていた護衛艦の乗務員が 振り返る 「合図だ」 男達が 護衛艦の乗務員に飛び掛り 銃を奪う そしてこの場所にも 殺戮者の魔の手がかかろうとしていた VIP専用の特性の部屋は 襲われて 血の海と化していた 血塗れのアラブの富豪の男の死体に、彼のボディーガード達 「ははは、不意を突かれて、他愛ない…部族の借りは返してもらった」 ガタン!勢いよく扉が開いた ライフルを構える 「おとなしくしろ!」 手に持ったライフルで 一斉に射撃する ドドドドドッ 「きやああ!」「うわああ」 悲鳴があがる 「我々がこの船を掌握した」 観客の一部がライフルで殺され そして ・ 「お祖母様! 柘榴!」 「に、逃げるのよ 二人とも」幸いドアの近くの席の俺達は 騒ぎに紛れて ドアの外へと逃げ出した
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